「悲しみを聴く石」 アティーク・ラヒーミー 白水社 ☆☆☆☆ 2009年10月25日初版
img20100201.jpg その部屋のベッドの上に戦場から負傷して(それも内輪もめの喧嘩で)植物状態になって帰ってきた男が寝ている。その傍らで祈りながら看病する妻、やがてその女は動かずもの言わぬ夫に向かって秘密を語りだす。一幕物の芝居のような展開で物語は進み、女の告白にぐいぐいと引き込まれていきます。舞台はアフガンのどこかの町を思わせますが、作者の意図したように、それにとらわれぬ普遍性はあります。
 『原題の「サンゲ・サブール」とは、ペルシア語で「忍耐の石」。その魔法の石に向かって、人に言えない不幸や苦しみを打ち明けると、石はそれをじっと聞き、飲み込み、ある日、粉々に打ち砕ける。その瞬間、人は苦しみから解放される、というペルシアの神話からとられている。』だそうです。