2008年09月

噂の女

「噂の女」 溝口健二 1954年
 京都島原で置屋を経営する母親(田中絹代)とその娘(久我美子)の対立、それに男(大谷友右衛門)がからみ、という話。ほとんど田中絹代の独り舞台といってもいいような作品。それに着物の立ち姿が美しい。また、ほとんど置屋内部でストーリーが展開するのですが、この建物が美しい。天井が高く、冬は寒そうだがゆったりとしたスペースがあってすばらしい。しかし出てくる男の役柄がまあ、どれもこれもろくでもない男ばかり、よくもこれだけ駄目な男の見本を揃えたなとあきれるほど、なんなんだいったい。
 1954年(昭和29年)というと、戦後の混乱も終わり、朝鮮特需で一息ついたが、高度成長はまだ先の話という頃か、やはりすごい格差社会だったんだなー。この二年後に売防法か・・・。

写真展2つ

「ヴィジョンズ オブ アメリカ」第2部(東京都写真美術館)
 1918年から1961年までの写真。これは壮観。おなじみの写真家の作品が目白押し。それがまたそれぞれ作風が違うというのがうれしい。見ておいて損は無い、10月19日まで。

「トレース・エレメンツ」 日豪の写真メディアにおける精神と記録(東京オペラシティアートギャラリー)
 日豪二名のキュレータが集めた作歌展? オーソドックスな写真ではなくそれぞれ変化をつけてある。時代といえば時代なのだろうが・・・。10月13日まで麻田浩展が併催。

ひかりの剣

「ひかりの剣」 海堂尊 文藝春秋 ☆☆☆★
img20080928.jpg いつもの大学病院シリーズの番外編かな。バブル末期、医科大学剣道部の話。別に番外編じゃなくてもいいんじゃないの? とも思いますが、(キャラクターが使いやすいか)普通の娯楽小説として面白く読めます。それとも逆にこちらのキャラクター(朝比奈ひかりとか)をフィードバックしていくつもりなのだろうか?

ロッキー・ザ・ファイナル

「ロッキー・ザ・ファイナル」 シルベスター・スタローン ☆☆
 劇劇場で予告編を見てあのテーマソングが流れた時には少しばかり心を動かされたのですが、やっぱりただのおまけだな。一番の問題はボクシングを再開する動機付けがあいまいなこと。
 そういえばロッキーシリーズではリングに登場するとき、「イタリアの種馬」という風に紹介されていてなにか違和感があったのですが、ちょうど「神なる狼」(姜戎 講談社)という本を読んでいて納得させられる箇所がありました。文化大革命時代の内モンゴル自治区での話ですが、去勢された軍馬の群れが狼の集団に襲われ全滅してしまう事件が起こります、その中で馬を守る馬飼いが、この馬群に獰猛で、積極的に狼を攻撃する種牡がいないことを嘆くシーンがあり、「ほかの馬よりは頭一つ高くて雄々しい。馬の群れの本物のリーダーであり、実力者でもある。オオカミに出会うと、馬の群れはただちに種牡にリードされて円陣を組み、牝馬と子馬がなかに、大きな馬が外側に、そしてすべての種牡が輪のいちばん外側で、真正面からオオカミと肉薄した戦いをくりひろげる。」とあって、なるほど種牡(種馬)というのはそういう意味なのかと。性的なニュアンスしか感じられなかったのですが、そういうことではないのだと了解したしだいです。

EOS 5D Mark2

 Wired VisionでキャノンのEOS 5D Mark2で撮ったサンプル映像のサイトを紹介していますが、これを見て驚いた。発表された時は、なんでビデオ映像機能が必要なんだ?と疑問だったのですが、サンプル映像のフルHD画像の美しさを見たらびっくりしてしまった。サンプル映像はあまりにもスチール写真的ではあるけれど、しかし35mmスチールカメラでこんな動画が撮影できるとなると・・・。いったいどういう風に変わって行くのだろうと興味半分、怖さ?半分の気分ですね。でも一度使ってみたい。
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